はじめに
7月12日(日)、さざなみタウンにて「長浜クリエイター連盟」の活動の一環として、湖北クリエイター・ミーティング第3回を開催いたしました。
今回登壇いただいたのは、長浜市余呉町出身のイラストレーター・グラフィックデザイナーである鈴-rin-さん。ご自身の歩みを振り返りながら、創作のインスピレーションの源泉や、作品づくりの根底にあるコンセプトについてお話しいただきました。
第1部:鈴さんによるトーク
美術系の高校時代から画塾に通い、日々のデッサンを通じて基礎を積み重ねてきたこと。「好き」という気持ちを地道な行動へと変えてきたご自身の歩みを、当時の作品とともに紹介してくださいました。

印象的だったのは、鈴さんの創作プロセスです。「好き」なものに出会っても、そこで終わらせず「なぜ好きなのか」を問い、その背景にある歴史や文化、仕組みまで掘り下げて調べる。そうして初めて、他にはない「アイディア」にたどり着くのだと語られていました。
実際の制作事例もご紹介いただき、身近なモチーフや「日本らしさ」といった着想から出発し、対象について丹念に調べたうえで、シンボルとしての印象や質感へと落とし込んでいく過程を辿りながら、完成した作品に込めた想いを語ってくださいました。
イラストレーターだからといって「イラストのことだけ」にアンテナを張っているわけではない——これが今回強く感じたことです。生き物の生態や歴史・文化、音楽やファッションなど、一見関係のなさそうな分野にも日頃から関心を持ち、そこで得た気づきを作品に落とし込んでいく。ジャンルを問わずアンテナを張っておくことが、他にはないアイディアにつながるのだと、実例を交えて教えていただきました。
こうしたプロセスは、普段なかなか言語化されたり教えてもらえたりする機会は少ないもの。ご自身の経験に基づく、非常に実践的で貴重なお話でした。


第2部:グループワーク・意見交換
第1部を受け、第2部では中高生と大人が同じ目線で、以下の3つのテーマについて意見交換を行いました。
① あったら嬉しいクリエイティブの相談場:進路や創作、活動の悩みについて、どんな場やサービスがあったら気軽に相談したり参加したりしたいですか?
② こんな体験があったら参加したい!:学校ではなかなかできない体験で、「こんなのがあったら参加してみたい」と思うものはありますか?
③ クリエイティブなことを始める・続けるうえでハードルになっていることは?
参加者一人ひとりが付箋に率直な意見を書き出し、グループ内で共有していきました。


「より専門的な意見をもらえる場所がほしい」「匿名性が担保された相談場所がほしい」「学校で進路に関する授業をしてほしい」「学校や行政との連携を強化してほしい」といった意見が出されました。
年齢や立場を超えてフラットに意見を出し合う中で、進路への不安や身近な相談相手を求める声、学校の枠を超えた体験への期待など、中高生ならではの率直な想いに触れることができました。大人にとっても、今の子どもたちが何を求めているかを直接知る貴重な機会になったと感じています。
NCUのスタンス
ここでNCUのスタンスとして、私からも補足をお伝えしました。
クリエイターだからといって、必ずしも創作活動だけで生計を立てなければならないわけではありません。
一見、創作とは縁遠く見える仕事の経験も、実は大切なインスピレーションの源になります。特に若いクリエイターの方には、たとえアルバイトであっても一度は「会社で働く」経験をしてみることをお勧めしています。その会社が何によって利益を得て、そのお金がどのような仕組みで自分の給料として還元されているのかを知ることは、将来どんな形で創作と関わっていくとしても役立つ視点になるはずです。

おわりに
今回のイベントは、「こうした意見が集まった」で終わらせたくないと考えています。長浜市が掲げる「市民協働」の考え方のもと、それぞれの立場でこの課題にどう向き合い、解決に近づけていけるか。少しずつでも前に進められるよう、動いていきたいと思います。
今回は、NCUとして活動を続ける中で、9月開催予定の「長濱創造博」の関係者の方にもご参加いただき、長浜のクリエイターシーンの結束が進みつつあることを大きな手ごたえとして感じることができました。
これからもこの「湖北クリエイター・ミーティング」や長濱創造博などを通じて、長浜の創作活動を後押しする環境をより活性化させていきたいと考えています。大人と中高生が対等な立場で意見を交わせる場が育っていることを、とても嬉しく思っています。次回もどうぞよろしくお願いいたします。