はじめに
New Sonic Arts社のVice2は、オーディオファイルを自動でスライスしてMIDIに割り当てて再生するソフトです。
古ではPropellerhead社の「ReCycle」というソフトの流れを汲むものと言えます。
まずこのソフトの素晴らしいところは、スライスしたファイルを一括で書き出せることで、なんとこの機能に限っては無料体験版でも行えてしまいます。
これにより、スライスしたファイルを別のハードサンプラーに読み込ませて再構築することもできます。
また、Vice特有の機能としては、スライスごとにパラアウト設定が出来ること、ミュートグループ(チョーク)設定が出来る等があります。
Vice自体にEQやエフェクトも装備していますが、このパラアウト機能によってDAW側のエフェクトやEQが自由に掛けられるので、これこそがこのソフトの最大の肝と言えるかもしれません。
Viceは決して派手なツールではないのですが、ある程度使いこなせるとストレージに眠っている膨大なループファイルを掘り起こす楽しみが増えるのが良いところだと思います。
Vice 使用法
Viceは発生をポリフォニックとモノフォニックに切り替えることができ、モノフォニックにした場合、ミュートグループを設定することができます。
すべてを同じグループにすると単音での発声になり、次の音が鳴った瞬間に前の音が消えます。
スクラッチのループネタをスライスとして再構築すると楽しいです。
Viceは最大8tr(16ch)のパラアウトによって、スライスごとにDAWからパンを振ったり、違うエフェクトを掛けたりできます。
下の動画は、特定のチャンネル(パラアウト)のみにエフェクトを掛け、更にDAW側でフィルターのエンペロープを設定して音を変化させています。
ViceをDAWからトリガーした場合は、DAWのシーケンサの機能を使うのでシャッフルやランダマイズも可能です。
DAW上で他のシンセやエフェクトを組み合わせた場合です。
Vice パラアウト設定
FL STUDIOからViceのパラアウト設定は以下のように行います。