これは前々から感じていたことですが、今のSNSの時代でもそうですし、遡れは10年くらい前、mixiの時代からそういう話はちらほら聞いていた話です。
ライブやイベントの告知をするアーティストに対して、ファンの人が「行きたいけど今回は行けない」とコメントすることがあります。
それに対して「いちいちそんな報告なんてしなくていい」と腹を立てる人が案外いて、それに同意的な意見も多いように感じました。
それは本当のファンが、真に善意な気持ちで言ったのかもしれないですし、そうでないにしてもファンのリアクションを引き出している時点で「リーチが掛かっている」と言えるからです。
「行こうか行くまいか迷った挙句、行かないことを報告してくれるユーザーを引き寄せるにはどうしたらいいか」を考えるのが主催側、出演する側の責務であると考えます。
端から行く気がない人はそもそもコメントなどしませんし、そんなリーチが掛かっている人をわざわざ遠ざけることに何のメリットがあるのでしょうか。
社会においても、あと一歩のところで商談が流れ、悔しい思いをした営業マンは枚挙に暇がないでしょう。
それは競合他社の商品に比べて値段が高かったり、性能が劣っていたりで、自分一人ではどうすることも出来ない理由もあるでしょうが、その結果を踏まえ、分析し、次回の営業に生かしていくはずです。
しかし、「今この時点で契約してくれない人は客じゃない」みたいな扱いで見てしまう人というのが、残念ながら世の中には少なからず存在しているようにみえます。
余談ですが、私の母は40年以上接客の仕事をするベテランですが、馴染みになったお客さんのために、自分のプライベートの時間を削ってまで自筆の手紙を書いてたそうです。
時間給なので直接的な給料にもならず、また確実な売上に繋がるとも限らないその行動は、彼女にとっての人生の一部であり、ごく当たり前のことであったといいます。
私はサラリーマン時代は営業職の経験はあまりありませんでしたが、エンターテイメントの世界において、全く営業の知識や経験がない人が生き残っていくのは難しいと思います。